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カルト映画・B級映画…『歪な』面白映画紹介
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押井守カラー「は」健在!『スカイ・クロラ』

日本を代表するアニメ監督、押井守の新作。いつもながらの

世界観・設定など細部を説明しない」「なのに例によって情報量

は多いが、本筋に必要なの?スタイルが、見た方の不評を

買っているようで・・・前者の人には訳のわからん映画、後者の

人には無意味に長い映画、となるんでしょうね。

 

私は昔、若気の至りで「全国のアニヲタが『宮崎駿派』と『押井

守派』に分かれて戦争したら、俺は『押井派』の先頭に立って

戦う!」と発言した、押井監督のファンです(過去の話だって…)。

今回『スカイ・クロラ』を見て、2つ強く感じた事があります。

 

まず一つは宮崎駿監督の『紅の豚』への挑戦。『紅の豚』の

優雅なセルアニメの空中戦と、『スカイ・クロラ』の現在の技術

ならではのCGを駆使した空中戦、どちらがお好みでしょう?

 

しかしそういったアニメ技術勝負ではなく、『紅の豚』が「大の

大人が、理解ある女性に見守られながら戦争ごっこに興じる

(よっておそらく人は死なない)」大人の為のファンタジー映画で

あるのに対し、『スカイ・クロラ』で「大人になれない子供が、周囲に

利用され戦争ごっこに興じる(こちらは唐突な死が描写される)」

冷徹な映画。宮崎監督の「戦争ごっこ」にたいする押井監督の

回答となる「戦争ごっこ」、それが『スカイ・クロラ』になるのでしょう

(なお、両監督共「戦争ごっこ好き」なのは確か)。それにしても

押井監督には、宮崎監督は常に「仮想敵」なんだなぁ(笑)。

 

また『スカイ・クロラ』のラスト。この映画はSF映画ですが、日本の

古典的な怪談映画に通じる、また海外だとB級ホラーに通じるもの

を感じました。例をあげますと、スティーブン・キングの短編「例の

あの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚(that feeling,

you can only say what it is in french)」に記された、同じ事の

繰り返しこそ地獄、という感覚が。

 

『スカイ・クロラ』はこの、繰り返しの地獄に気付いてしまった若者の

物語であり、またその繰り返しに意味を見出そうとする若者の物語

でもあります。繰り返しが地獄なら、この世は間違いなく地獄。

でもそこに意味を…こんなテーマを「今の若い人に送りたい」んだ、

押井監督。温かくもシニカルなメッセージだなぁ。

 

『スカイ・クロラ』のこのテーマに近い映画が、日本の古典的怪談

映画の第一人者、中川信夫監督の『怪異談 生きてゐる小平次』。

歌舞伎用に作られた戯曲を基に、痴情のもつれから人を殺した男が、

蘇る怨霊を幾度となく殺しても、その度に蘇り逃れる事が出来ない

という、繰り返しの地獄に陥る物語です。この映画は中川信夫監督の    l

遺作であり、ATGにおいて低予算で実験的に作られながらも面白い

作品です。興味ある方は是非ご覧下さい。 

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