さて、『ハプニング』ですが、シャマラン名物の、ラストの どんでん返しが無くなった事、シャマラン初の(米での)R指定 作品となった自殺オンパレードが話題になっています。それを 「新境地」として好意的に受け取る人もいれば、「脚本レベルが 更に低下」「悪趣味」とマイナスに受けとる人もいるようで。 しかし現在のハリウッドで、メジャーのお仕事で「作家主義」を 貫いている、シャマラン先生らしい映画である事は、本作も 変わりありません。シャマラン魂今だ燃えつきず!と私には 受け取れました。 この映画が学生の自主制作映画なら・・・、たかが「風」(笑)で あそこまで緊張感を演出するのはお見事、実に安上がりで アイデア賞もの。こんな馬鹿馬鹿しい事で緊張感を強いる映画は (ホメ言葉)、他にはA・タルコフスキーの『ストーカー』位か?この 「恐怖の対象」が、『サイン』の宇宙人や『ヴィレッジ』の着ぐるみ 怪獣では、「低予算映画で、唯一お金をかけたのに噴飯物」と いう昔のB級映画の様になりますから(笑)。はったりの見せ方 は変わらずインディーズ映画のお手本です、シャマラン先生! (『レディ・イン・ザ・ウォーター』同様、「金かけてやる話か?」 という疑問は残るが…) また映画の中で「地球を揺るがす大事件」(今回は自殺だから描写 も安上がり。プロデューサーとしてのシャマラン先生、これはお得) と平行して主人公達の日常が描かれるタッチも健在。但し「やっぱ、 家族はいいよねぇ~」という予定調和なお話は、キツいお話の方が お好みの方には、「…そのまま死屍累々で突き進めよ」という不満 もあるでしょう(私もそうでした)。 また今回も大事件に平行して卑近な茶飯事を描き、その落差が 笑いを産むという定番のパターンは健在でした。世界の破滅より 夫婦のすれ違いが一大事…まあ実感はあります(笑)。しかも嫁 (『銀河ヒッチハイク・ガイド』のズーイー・デシャネル)の「浮気疑惑」 の相手がシャマランでは・・・そりゃあ一大事である(笑)。今回の シャマラン先生は「携帯の声」で出演、お気づきですよね。 ところで自殺といえば、キリスト教圏ではかなりタブーのはず。それを メジャーな環境で映画にするとは…と社会派に話は振りません(笑)。 人が次々自殺する映画と言えば、邦画に『自殺サークル』という作品も ありますが、今回私が紹介したいのは『スターシップ・インベーション (TV放送時タイトル 「スペース・ウォーズ UFO軍団大襲来」、別題 「未来からの挑戦!第四次宇宙戦争」)』という1977年の作品。 原題はStarship Invasionsで、昔懐かしい世界的なUFOブームに 乗って作られた、『スター・ウォーズ』と同じ年の作品には全く思えない (笑)チープな作品。ブームを支えた宇宙人ネタ(当時有名な目撃証言に マニアックに忠実!)や強引なピラミッドパワー描写(是非雑誌「ムー」の 愛読者にお見せしたい)、安い特撮(『ウルトラセブン』のペロリンガ星人 の円盤を思い出す)が時代を感じさせてくれます。この作品の劇中の、 悪の宇宙人が地球侵略に使うのが「自殺光線」(笑)。地球に向けて 発射すると、地球人は勝手に自殺してくれるという、製作者大喜びの リーズナブルな攻撃法。こんな映画ですが、クリストファー・リーとロバート・ l ヴォーンが出演しているので、B級カルトムービー好きの方は必見。 常に過去のB級映画からのパクリ疑惑が絶えないシャマラン、まさかこの 『スターシップ・インベーション』からアイデアを頂いたのか?
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