Jホラーのみならず、様々な国の映画がハリウッドにてリメイク されております。またその才能を買われてハリウッドで監督 デビューする異国の監督さんも、もはや当たり前の状態。 ジェシカ・アルバ主演の『アイズ』もそんな作品。オリジナルは のダヴィド・モローとザヴィエ・パリュ。たまたま私はこの3作品 を見ておりますので、この視点から評します。 ・・・だから以下ネタバレになりますよ! ① オリジナルとの違い 『アイズ』は上映時間97分、さくさく見れるB級映画的な一発 ネタ勝負のホラー映画として作られています。別に皮肉では ありません。ジャンル映画好きな私としては歓迎。 オリジナルを知らずに見る方も充分楽しめると思いますが、 知っている方には違和感があったと思います。ストーリーの 改編は最小限(舞台が米国~メキシコに変更ですから改編は 当然)と言えますが、決定的に違う要素が3つ。 ・死神たる「黒い影」が、主人公に敵意むき出し=明確に悪役 ・角膜の元の持ち主と、その母親のエピソードの扱いが軽い ・ラストの爆発=主人公は、ほぼ全員を救ってメデタシ! この点には『the EYE』を見た人は違和感を覚えたはず。 『the EYE』で「黒い影」は、ただ現れ死者の魂を連れ去る だけの存在。主人公には見えておっかないが、ただそれだけ の扱い。ハリウッド版では見られると「なんじゃこりゃ!」と 絡んできてガラが悪く、悪役キャラの位置づけ。 そしてラスト。『the EYE』では「黒い影」を見る事で爆発を 確信する主人公は・・・殆ど誰も救えない。 この違いでお判りの通り、オリジナルでは主人公が「黒い影」 を見た事で、元の角膜の持ち主を知り、その自殺した持ち主 の魂と母親の和解を仲立ちを務める事が出来た。が、「黒い 影」を見る能力は、人を救う事にはならない・・・と、東洋的な 無常観がグッとくる味わいの作品。ところがハリウッド版では 持ち主と母親との和解は削り、爆発から人を救う事がメインの 物語に。最後に皆を救うジェシカの雄姿はアクション映画。 成程ハリウッド的な改編ですね。 オリジナルとの差の是非ではなく、ハリウッドリメイクの手法 を理解するに、非常に判りやすい実例と思います。あ、角膜 の移植で「なんでアレが見えるねん!」という疑問にも、「細 胞の記憶」なんて設定をつけるのも、アメリカ的謎解き設定? ② で、『THEM ゼム』で評判の監督は? この映画で活躍の場が与えられたのに・・・正直B級テイストの 映画を手堅く撮っただけ、という印象。 『THEM ゼム』が見る前に内容を知らなければ、不条理にも 突然襲撃された者の恐怖が、恐ろしく実感できる作りの映画 であった・・・映像もドキュメント調の荒れた画面・・・に対し、今 回の映画はハリウッドスタンダードの映像に編集。ダヴィド・ モローとザヴィエ・パリュを使った意味あったの?? 『THEM ゼム』を知っていただけに、映画を見る前『アイズ』 には、『the EYE』の能力を持ってしまった主人公の戸惑いや 映画全体の無常観が、ダヴィド・モローとザヴィエ・パリュに よって表現される事を期待していただけに残念。ハリウッドで の初仕事、プロデューサーには逆らえなかったか?でもこんな 風に個性を殺された哀しいハリウッドデビューの監督が多い 事もまた事実。パン・ブラザースのハリウッドデビュー作品、 哀しい公園デビュー・・・じゃない、ハリウッドデビューで消える 監督がいる一方、最初の作品で学習し次回作では本領発揮、 という方もいますので応援してますよ! とまあ、こんな視点で書きましたがこの『アイズ』、何か電波な 体験をして災害から人を救う映画、と考えればR・ギア様の 映画と評する事も出来たりする。今頷いた人、私の同類!! |