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カルト映画・B級映画…『歪な』面白映画紹介
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10年?20年ぶりにデジタル素材で見る、『草迷宮』

偉大な寺山修司の作品について、何を書こうというのか私は。

 

(其の壱) 初見は学生の頃。当時は訳も分らず、「とりあえず

アートな作品見るべ」と無知な状態で見て、なんじゃこりゃ!でも

圧倒されたのを良く覚えています。今回、流石に初見時の衝撃は

無かったです。しかし同時に今見ても作品が古びていないなぁ、

と感じました。

 

寺山修司の影響を受けた映像作品は(映画からアニメまで)

数あれどオリジナルはやはり偉大、と主張する訳ではありません。

映像より底に流れる物語のテーマ、記憶や母というキーワードの

普遍性が、今見ても通用するからでしょう。まあ『田園に死す』の

短縮コピー版、と言ってはおしまいですが…寺山修司がこの

テーマに呪縛されていた訳で。

 

(其の弐) 今回デジタル素材での上映でした。私は映画館という

隔離された空間で鑑賞する事に拘る人間ですので、見たい作品で

あれば16ミリでもビデオでも、音声がモノラルでも構わん、という

映画館原理主義者ですから。しかし過去の35ミリ作品をデジタル

素材でスクリーンで見た時、モノクロ作品は見辛いとは感じず、

むしろ原版プリントの傷などが無い作品なら、かえって良い環境で

見れたのかもと感謝する事も大です。

 

ところがカラー作品は…やはり大画面に見るとやや荒い画質に

なるのが残念。これから技術的に改善されていくと思いますが。

でも現状ビデオ撮影された作品のデジタル上映より、35ミリを

デジタル素材にした上映の方が画面は良いと感じます。今後

高性能のカメラで撮影した作品とか、製作環境・機材が変わって

くると違ってくるのでしょうが。

 

(其の参) この映画の製作年を、シネマヴェーラのチラシに

よって1978年と書きましたが、元々は1979年、フランス製作の

オムニバス映画『プライベート・コレクション』の3作品の中の1本と

して製作されました。日本での劇場公開は、寺山修司の没後の

1983年、追悼特集の形で公開されています。ではこのフランスの

オムニバス映画、『プライベート・コレクション』とは?

 

製作はピエール・ブロンベルジュというフランスの大御所。俳優・

監督を経て製作者となり、ヌーベルバークの作品、才能を世に

送り出したのも彼。そして『草迷宮』以外の2本は?まず1本を

撮ったのはジュスト・ジャカン。『エマニエル夫人』や『O嬢の物語』、

忘れちゃいけない『ゴールド・パピヨン』を撮った偉人(笑)。

 

もう1本はワレリアン・ボロズウィック。短編アニメから初め、あの

邪淫の館 獣人』(笑)を撮った方。『プライベート・コレクション』は

海外ならDVDが出ておりますが…パッケージはどう見ても単なる

エロ映画ですな(笑)。どうです、こうして偉大なる寺山も皆さんの

身近な存在になったでしょ!

 

ともかく映画館という見世物小屋で見ましょう、寺山修司は。

 

アート度 ★★★★
寺山修司度 ★★★★
女相撲度 ★★★★★

 

1978年 人力飛行機舎

 

監督 寺山修司 原作 泉鏡花 撮影 鈴木辰男 

美術 山田勇男 助監督 相米慎二

 

出演 三上博史 若松武 新高恵子 伊丹十三


2008年9月10日 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞

(併映 『とむらい師たち』『スキャンティドール 脱ぎたての香り』)       l

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