1969年というおめでたい年、日本の社会・風俗は乱れていた。 その真実の姿が映し出されているのがこの作品である! ・・・んな訳がない(笑)。モンド映画ブームに乗って、東映が贈る セックスドキュメント第一作である。特殊な場所での絡み、歪んだ 風俗を、明快な良心的ヤラセ(?)で見せてくれる愉快な作品。 タイトルの「セックス」なネタは 「夜の公園でイチャイチャ」 「トルコ風呂(当時の表現で・・・)」 「ストリップ小屋(踊り子インタビューは良し)」 「飛田の赤線」 「ブルーフィルム撮影現場」などなど。 「猟奇」なネタは 「美容整形手術」 「刺青彫り」 「ドMの男(笑)」といった処か。 まあ実に下らない・・・と片付けてはいけない。これら猟奇な(?) 場面を珍妙に紹介してくれる西村晃のナレーションが絶品! もったいぶりながら軽妙、真面目ぶりながら笑いを誘う名調子。 特に「ブルーフィルム撮影現場」のナレーションは爆笑物。 また「ドMの男」の正体は、あの奇書「家畜人ヤプー」の著者 沼正三。いや~、まんまの方だったんですね、と感動(笑)。 とまあ愉快なポイントを楽しむのも結構ですが、同時に当時の 社会の雰囲気を味わうのも良し。全共闘の学生群、シンナーを 吸ってる奴、そして新宿花園神社での、唐十郎の状況劇場による 「腰巻お仙」の赤テント公演。ハプニング集団「ゼロ次元集団」の 街中でのパフォーマンス。映画のオープニングロールとエンドの 映像は横尾忠則のイラストだし、この時代の息吹を感じさせて くれる作品でもあります。 特に唐十郎がまだ米軍統治下の沖縄に行くくだりは・・・浮いて ます。というかこのパートは完全に唐十郎がジャック。こんなモンド な映画でも持ってく存在感は感動ものですらあります。 映画というメディアは当時を記録し、それを味わせてくれる存在と しても貴重。真面目なドキュメンタリーでなくとも、例えば劇映画 でも野外ロケのシーンに時代の雰囲気が・・・、という楽しみ方も 出来ますね。この映画は当時いかにもキワモノ、セクスプロイテー ション映画として作られながらも、今となっては貴重な存在に なった感がある名作である。無論笑える迷作でもある。 ところで昭和30年代は『~三丁目の夕日』なんだろ?この映画 を信じるなら、日本は昭和40年代に急激にタダれたのか?? 歴史的真実度 モノにより★、モノにより★★★★★ キワモノ度 ★★★★ 唐十郎度 ★★★★ 西村晃度 ★★★★ 沼正三度 ★★★★★ 1969年 東映 監督 中島貞夫 企画 岡田茂 佐藤雅夫 出演 唐十郎 ゼロ次元集団 (他、仕込みな人々) ナレーション 西村晃 l |