かつて我が国に、世界に誇る「海女映画」というジャンルがあった。 女性の裸を映画に出したいが、そんな事許されねぇという時代、 じゃあ乳出す必然性がありゃイイんだろ、そんなら海女さんの話を 撮れば、「やむなく」乳を見せる事になるべぇ、との驚くべき天才的 (かつ牧歌的)なアイデアで生まれたジャンル。その記念すべき 第一作がこれ。驚くべき事に上品なイメージのある松竹のお仕事 だったんですねぇ。もっともこの素晴らしいアイディアに新東宝もすぐ 飛び付き、同じ年に『海女の戦慄』を製作、以降松竹と新東宝は 「海女映画」を連発する。(注:もっとも新東宝には前年の1956年 『女真珠王の復讐』という映画が海洋モノの元祖だが、こちらは 厳密には「海女映画」ではない、って事で) という事でワクワクしながら見たこの映画、冒頭でいきなり大木実に 抱きかかえられた、「海女女優」こと泉京子の海女ルックから透け 乳首が!(21世紀にこんなんで興奮するなよ…)以降で透け乳首、 おっぱいポロンが「少々」…見れます。昔ジャクリーン・ビセットの Tシャツ透け乳首「ごとき」に燃えた先輩方、こんな気持ちだったの? 但しタイトルが『海人~』とある様に、この映画には男の潜り手さんも 出てきます。大木実のガッチリした肉体美は無論、若き日の石浜朗の フンドシ姿はヤバい程に賛嘆もの。いや私は、そっち方面の趣味は 無い人なんですけど…。なお、映画冒頭のタイトルに『海人舟より』の 文字は無く、『禁男の砂』のみの表記でした。 が、お話はメロドラマ。しかも日本家屋の中でのシーンは何故か撮影・ 編集がそこはかとなく小津安二郎っぽい(笑)しかしそんなのどかな 風景の中に繰り広げられるは愛憎ドラマだけでなく、隣のキ○ガイ女 (ストーリーに重要な存在)、お約束のキャットファイト(正直ヌルいが 砂浜でのタイマン勝負、水中戦、水溜りファイトの3態有り)、そして 盆踊りの代わりに「わ~たしゃ 浜っ子♪」で始まるヘンな踊り(笑)と、 「松竹文芸調」と「見世物映画」の夢のコラボレーションが楽しめます。 そんなこんなの果てに、大木実の可愛さ余っての発言が、泉京子の 命を奪う悲劇となる(冒頭のシーンにつながる)。それで大木実が 嘆いても…流石『黒蜥蜴(大映版)』『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』 の明智小五郎同様、一言が妙に力の有るキャラクターですなぁ(笑)。 監督の堀内真直はこの後も「海女映画」を撮り、後に『マイティジャック』 に参加と何故か海中から縁の切れない方。これだけ私が海女映画を熱く 語っているのに全く興味の無い方、海女映画が無ければ筑波久子は無く、 彼女無くして『殺人魚フライング・キラー』無く、『殺人魚~』無くして J・キャメロン無く…『タイタニック』も海女映画が無ければ存在しないんだ! あっ、いま思いついた。『アビス』は『海人舟より 透明ぴらぴらっ』って 改題したらお客が入ったはずだ!(スイマセン、暴言です) なお、世界に羽ばたく海女さんを見たい方は、デビット・ジャンセン主演の TVM『サブマリン・パニック』をばご覧になるように。潜水艦の中で蛇が にょろにょろ、海女さん大活躍(笑)の珍作です。 エロ度 ★ キャットファイト度 ★ 妙なダンス度 ★★ ジャンル映画度 ★★★★★ 1957年 松竹 監督 堀内真直 原作 近藤啓太郎 脚色 高橋治 撮影 小原治夫 l 出演 大木実 泉京子 石浜朗 山鳩くるみ 瞳麗子 2008年9月16日 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞(併映 『怪談蛇女』)
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