私は少年時代を関西の田舎で過ごし、あまり映画館も無く 小中学生の頃は映画館に殆ど足を運んでいません。でも最初に 映画館で見た映画は東宝チャンピオンまつりの『地球防衛軍』。 シネスコ画面の映像に圧倒されたのはよく覚えています。 そんな私はすっかり特撮もののファンになり、TVで放送される 怪獣ものの番組は見まくり、いい年になった頃には「怪獣映画は 全部スクリーンで見てやる!」と誓いを立て、特集上映を回りました。 伊丹グリーン劇場の特集上映を見まくったのは良い思い出。 そこで見た『ノストラダムスの大予言(チャンピオンまつり版)』は私の 誇りです。この思い、同志たるアナタだけが理解してくれれば(涙)。 前置きはコレ位にして、「怪獣映画は全部スクリーンで見てやる!」 という執念は今だ生きています(旧作は今だ劇場で見てますよ~、 でも最近の新作は…、疲れた、勘弁!)。この『ゲソラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』、何故かこの年までスクリーンで見損ねて いたので、ざまぁ見やがれ見てやったぞ!と頑張ってきました。 物語は、「主人公だけが、たまたま地球に謎の帰還をとげた 宇宙船を目撃」→「たまたま宇宙船が堕ちた島に行く話に出くわす」→ 「怪獣は出し惜しまずすぐ登場」→「怪獣の弱点は以外に身近なもの」→ 「で、最後は火山オチ(笑)」という実にストレートな展開。東宝特撮 映画というよりアメリカB級モンスター映画のアカ抜けた味わいです。 これは名脚本家、小川英(日活アクションや、東宝だと『殺人狂時代』に 『血を吸う~』シリーズ、TVでは『太陽にほえろ!』等、全く頭が下がる お仕事をされています)ならではの仕事でしょう。当時東宝の『ゴジラ』が 子供向けになって行く中、本格的なSF仕立ての作品。でも子供にも 理解できる分りやすさ。宇宙生命体が地球生命体をのっとるのが話の キモですが、意識をのっとられた佐原健二がそれと対決する姿など、 判り易過ぎる会話表現で子供にも理解しやすい作りになっています。 また特撮は当時の第二次怪獣ブームの最中、東宝が本家の表現の 意地を見せた出来。スチール等で怪獣の着ぐるみの出来が良いのは 理解していましたが、実際に大画面で見ると、特にゲソラ!コウイカの くせに地上で立っている(笑)というツッコミ所がありながら、直立した 2本の足を他の足で違和感なく隠し、ヌメリは無いが体の継ぎ目の 自然な動きで生物感を出しているのが見事。ガニメ(カニ)は表面の造 形の凝り具合に感服。カメーバ(カメ)は頭部ギミックの舌と、着ぐるみで 表現する四つ足怪獣の弱点、後ろ足の表現は…チト残念。 また着ぐるみの出来だけでなく、これら怪獣を20~30メートル程度の 大きさにした設定が見せる臨場感は、円谷英二と中野昭慶の間で 今ひとつ目立たない特撮監督、有川貞昌のベストな仕事の一つ。 同時に監修でクレジットされている円谷英二は、名義のみでしょうが 本作が映画での遺作、という事にもなるのでしょう。また本編と特撮を 違和感無くつなげる本多猪四郎の手馴れた演出、俳優は東宝特撮 映画お馴染みの面々と、見逃せないポイント多し。 が、スチール写真で有名な三怪獣そろい踏みのシーンは有りません。 ささやかな詐欺(笑)!また南方の楽園の島、しかも旧日本軍の影響が 残る、ってな設定は実に東宝テイスト。怪獣の名前が突然ためらいも無く 出るのはまあ許しましょう、私も大人だから…でも島民が歌うあの歌、 過去の有名な某怪獣映画でも歌ってたやろ(笑)!! ともかく数ある日本の怪獣映画の中では異色作、とカルト作品として 評価して良いのではないでしょうか?この映画でイイ役の小林夕岐子、 同じ年に『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』で、まさにタイトルな役を 演じています。この人には当たり年って事でいいの? 南の島は楽園、でも戦争の影があり、何かがいるは東宝と水木しげる の定番設定。南海の「大海獣」だったら「ゲゲゲの鬼太郎」ですよね。 B級映画度 ★★★ 怪獣映画度 ★★★★ 小林夕岐子度 ★★★ 1970年 東宝 監督 本多猪四郎 製作 田中友幸 田中文雄 特撮監督 有川貞昌 特撮監修 円谷英二 脚本 小川英 出演 久保明 高橋厚子 土屋嘉男 佐原健二 斉藤宜丈 小林夕岐子 l 2008年9月7日 銀座シネパトスにて鑑賞
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