私にとって『実録外伝~』といえば中島貞夫の『~大阪電撃作戦』 である。あっ、だから本作にも室田日出夫御大も出ているのか。 と、実は任侠映画初心者の私でも気付いてしまう程、極道映画 への偏愛に満ちた作品である。 監督が『発狂する唇』『血を吸う宇宙』の佐々木浩久。当然(笑) トンデモない映画かなぁ~と思いきや、以外に真面目な映画。 ヤクザの抗争で非業の死をとげた弱虫ヤクザは小沢仁志アニイ。 しかし彼の死体が、伝説の狂犬ヤクザ(小沢仁志の二役)の墓の 傍に埋められた為に、復讐の為ゾンビとして蘇るのであった! というお話だけにこの後蘇った死体をダシに、不条理不謹慎ネタを 連発するかと思いきや、このゾンビ以外に頭が腐っていないのか、 恨みを晴らそうとしたり情婦に愛情があったりと、この世に未練 タラタラの幽霊的なキャラクター。ゾンビと言うが人は喰わないし (生肉は喰う)、蘇る墓場にゃ火の玉も飛んでたし。ともあれ恨みの 思いを口にしつつ、二丁拳銃で大暴れする!!小沢仁志のゾンビ カクカク演技で(笑)。 でも浜辺での舎弟との対決が青春映画のように妙に美しく、愛する 情婦を残しながらも行かねばならぬ…、というラストはベタながらも 泣かせる。これをギャグと真面目がチグハグの映画ととるか、こりゃ 拾いモノと受け取るかは、ご覧になるあなた次第。 しかし私の一押しは、映画のブラックなギャグを一手に引き受けた、 『仮面ライダーZX』にして『ラストサムライ』な菅田俊が一番笑える。 典型的な任侠映画の、小悪党キャラながら、小沢ゾンビのボケに 唯一ツっこみを放てるキャラとして、コメディパートは一手に担当して おられます。個人的にこういうノリの連発を期待していた…。 冒頭の監督自らのナレーション他、任侠映画のオマージュに大いに 満ちながらも、おどろおどろなシーンで何故か使われた伊福部明の 音楽が妙に気になってしまった私であった。 オマージュ度 ★★★★ お馬鹿度 ★★★ ゾンビ度 ★★ カクカク演技度 ★★★★
2001年 徳間ジャパンコミュニケーションズ 監督 佐々木浩久 脚本 田口洋 出演 小沢仁志 新藤栄作 木村栄 増田未亜 l 室田日出男 (イチオシ!)菅田俊 2008年9月4日 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞
(併映 『闇の中の魑魅魍魎』) |