今、目の離せないギレルモ・デル・トロ監督の新作である!こいつは絶対 観なきゃ・・・だが、本作はTOHOシネマズシネコン系での公開。シネコン 劇場は各劇場毎に、(お客さんの入りや他番組の都合で)大胆に時間が 変わったり上映回数が減ったり・・・些か観るのに苦労しました。シネコン で映画を見るのは大好きですが・・・ところでギレルモ監督については、 『永遠のこどもたち』のレビューで書いており、是非これもお目通しを。 ↓ 永遠のこどもたち という事でまずは簡単に作品について。例によってネタバレあります! と申しても吊り糸はないし、SMAPの人も喋らないけどね(笑)。この冒頭に 続いて“歯の妖精”(何かが本来の設定と何か違うぞ!)登場と、最初から ギレルモワールド飛ばしまくりっ! 偏見的にドイツ人っぽく演じています。敵=白い人、ヌアダ王子を演じるのは 演じ、やっぱり顔色が悪かった。 前作からの仲間、ケロロ軍曹(エイブ。特殊能力=サイコメトラー)にリズ (特殊能力=貧乳!)も健在。ケロロ軍曹を演じるダグ・ジョーンズは今回も 多数のキモいキャラを演じています。彼とギレルモ監督の関係は、アンディ・ サーキス(ゴラム&コング役)とピーター・ジャクソン監督のそれに相似。 *パイロキネシスト(発火念力)の、リズを演じたセルマ・ブレアはトッド・ ソロンズ監督の『ストーリーテリング』でヤバイシーンを演じた。が、その シーンより彼女の「仲間由紀恵どころの騒ぎではない」貧乳の方が、ファン に衝撃を与えた(笑)。同時に体当たり芸を誇るコメディエンヌでもある彼女 の、この動画はDVDスルー作『あいつはママのボーイフレンド』でのお姿。 ところがヘル・ボーイは・・・猫好きは変わらぬが酔っ払うわ、プライベートに のっぴきならない事態発生だわ・・・もう「ボーイ」じゃねぇぞ、コイツっ!前作 好評であった(?)「ガキと女について語りあう」童貞キャラは卒業か? でもそんなご好評の(いったい誰に?)童貞キャラを、今回はケロロ軍曹が 担当。彼とヌアダ王子の妹との関係・・・あの設定ならオチは誰にでも読め ますよね。ケロロ軍曹が彼女に対し、不器用で奥手で、やがて哀しき 「姿は醜いが、ハートは純情な童貞の恋愛」を見せてくれます。 それだけにヘル・ボーイとケロロ軍曹が、酔っぱらってバニー・マニロウの "Can't Smile Without You"を歌うシーンは実にベタかつ、おセンチであるが 同時に可笑しくも切ない・・・。アクションとギレルモワールドの連発に期待した 方には、このシーン不評かもしれませんが、「脱・童貞と現・童貞の恋心」の ある意味リアルなグダグダ感を表現した名シーン、許してやってくれたまえ! しかしビジュアル系映画監督(無論、容姿でなく映像が・・・)が恋愛を描くと、 実にグッとくるシーン(でもこのシーン必要?監督の趣味だろ?)。彼らビジュ アル系監督の描く世界は、暗くて邪悪で歪んでいるのに、恋愛になると妙に 甘ったるい・・・。 これは我々(誰を仲間にしているっ!)に常識、内気・奥手・多分真面目(?) その上脳内に妄想を抱えている男子共通の恋愛感・・・「美女と野獣」症候群 である事は自明の理。自分を怪物に擬え、世間に対しある種の疎外感を感じ ている。だからこそ「美女」に出会えば尽くす事を誓っているが、大抵の者は、 この恋愛は決して成就しないと決め付けている・・・嗚呼、おセンチ上等! キモいと言われようが、ストーカー行為に走るより紳士的だろっ!(笑) ビジュアル系映画監督は、偏見を恐れず極論すると「ヲタク派」と「ゲイ派」に 分けられます(極めて暴論)。「オタク派」の恋愛表現は上記の通り。一方の 「ゲイ派」・・・バズ・ラーマン、ブライアン・シンガー、ジョエル・シューマカー、 ウォシャウスキー兄弟(の片割れは性を超越した・・・)の恋愛表現(と同時に 女性の描き方)と比べると、実に面白いでしょ。 ハリウッドメジャーの大作映画で成功。その次に、ハリウッドを離れ趣味 数々の賞を獲り、興行的にも文句なしのウハウハ状態。となると、今回の 『~ゴールデン・アーミー』、暴走するの?次なる暴走の為の銭稼ぎの為に、 職人仕事に徹するの? ところで勝手に命名させて頂いた「暴走映画」とは何ぞや?私見ですが皆様も 同意してくれるでしょう。才能ある映画監督には、「2作目(続編)は失敗する。 が、時としてその失敗作は歴史に残る」というジンクスがあります。 そんな監督にとって、メジャーで興行的に大成功を収めた次の作品は、前作 より資金は多く使用でき、製作サイドの締め付けも緩くなる。まってましたと ばかり、趣味丸出しの俺様映画を撮るべぇ~、と生まれたのが「暴走映画」、 と命名しました作品です。 趣味丸出し故に一般ファンは付いて行けず、興行的には失敗するパターンが 多い訳ですが、監督自身の持つ世界が監督の信者の為だけに・・・いや、監督 本人の為だけに?描かれる事も多い「暴走映画」。かくも無謀な作品を撮った 結果、製作側の信用を失ってしまい再浮上に時間のかかる人も。 しかしそんな「暴走映画」こそ、歪な映画ファンにとって最良の作品である!と する彼らより一般人の方が邪悪・・・実に暗く捻じ曲がった、実に狂った世界が 華麗に展開。結果全米で子供に見せた親からの苦情殺到(そりゃそうだ・・・)。 ダニー・デビート演じるペンギンに生魚くわえさせるなよ・・・ *『バットマンリターンズ』の可哀想過ぎる、ペンギンの生い立ちを描いた オープニング。病んでいます・・・そんなにこの世に生まれた事がツライのか、 ヲタクは・・・と、T・バートンが自身を投影しすぎ(笑) で暴走、興行的に大失敗。でもコレ、コングマニアのP・ジャクソンは「一点の 悔い無しっ!」・・と昇天したはず。それに怪獣映画ファンにとっては至福の映画 でしょ!髑髏島のシーンが無駄に長い?・・・怪獣ゴッコ・探検ゴッコが思う存分 製作側がオチを変更するという、虚しい努力を図ったのも今は昔の物語。 無論、すべての監督に当てはまる法則ではありません。単純にヒット作の次、 人それぞれ。趣味丸出しの「暴走映画」が出現したか否か、怪しげな才能を持つ 映画監督の新作は、これだから目が離せません・・・。 そんなこんなを思いつつ鑑賞した『~ゴールデン・アーミー』、私にはビジュアルで 充分暴走しながら、話はメジャー作に相応しく無難な内容にまとめた(少々不満・・・ 暴走を期待した身には)作品である、と見ています。でも単なるアクション映画な 第一作よりは、監督の趣味方面が愉快に新化していると思うぞ。 本作の残念ながら興行的にはもうちょっと稼がんとなぁ・・・という結果は、ストーリー はそれなりに一般受け狙える様に纏めた「大人の」ギレルモさんにはチト厳しい。 しかし「童貞の恋」を描ききった、「子供の」ギレルモさんは満足だろうなぁ。あと “歯の妖精”に“トロルの市場”をしっかり映像化した、我らが「変態の」ギレルモさん も満足だろうなぁ。“トロルの市場”にも生魚あったよなぁ(笑) ところで今回の記事は、T・バートンに絡めた話が多いのだろう?“エレメンタル” の最後のシーンでも彼の映画を思い浮べた・・・あ、音楽がどちらの作品も、 ダニー・エルフマンである事も関係してるのかな?? *この記事は本作のエンドロール同様、 "Can't Smile Without You"で まとめさせて頂きます・・・今年の“永遠の童貞”を心に持つ男子の、 テーマソングに決定だ! P.S. ・・・これを記した後、町山智浩さんの『町山智浩のアメリカ映画特電』 第70回を聞いたら、『~ゴールデン・アーミー』の紹介、取り上げていらっしゃる 部分が被りまくって赤面!映画秘宝創刊以来のファンですが、私の考え方も 恐ろしい程町山氏の影響を受けているんだなぁ・・・。これじゃ「オマージュでは すまないパクリ状態だよ(笑) ↓ http://www.enterjam.com/tokuden.html 皆さんご存知とは思いますが、まだ未聴の方は「師匠筋」の愉快なトークを是非 お楽しみ下さい。 |