「それいけスマート」という、スパイ物お笑いTVドラマを 知る人も少なくなったと思います。それを映画でリメイク、 主演は『四十歳の童貞男』のステーブ・カレル。本作は 楽しんで見ましたが、今回はオリジナルと比較して気付 いた事などを書く事にしましょう。 今回の映画も愉快であるが、オリジナルの方が「アホな」 作りである(笑)。オリジナルの脚本にはメル・ブルックス も参加(本作ではキャラ創作者としてクレジット)している 事からお判りの通り、ベタな笑い(下ネタも有り)で見せる スパイ物のパロディ作品であった。 またオリジナルドラマはシットコム、つまり観客の笑い声 が被さる作り。それに対応すべく会話や小道具にも小ネタ を連発。そもそも敵、カオス(オリジナルの日本放送時には 「ケイオス」としていた)もコミカルな設定で、繰り出す作戦 もギャクそのものだった。 ちなみにオリジナルのドラマは1965年から70年まで米で 放送されたが、1980年にそのままのキャスト、設定で映画 化されている。それが『0086 笑いの番号』だが、原題は 「The Nude Bomb 」。タイトルで一発でお判りの通り、敵・ カオスの秘密兵器は、爆発すると衣服だけが吹っ飛ぶと いうベタな兵器。よって画面に裸がいっぱい出るわ(無論 オッサン度高し…)、カオスが作った服は爆弾の効果が 無いので、これを売って大もうけを企むは、と『オースティン・ パワーズ』よりお馬鹿な設定であった。 以上と比べると、今回の映画はオリジナルを踏まえつつも 随分真面目。笑いは生かしながらも本格派スパイ映画に 遜色無い作り。この点は大きく違っていました。パートナー (アン・ハサウェイ)も敵も基本的に真面目になったし。 オリジナルの主演はドン・アダムスですが、彼の演技は いわゆる「仏頂面系」のコメディアンのものである。これは 成程スティーブ・カレルの芸風と一緒。と本作のゲストに 同じく「仏頂面系」コメディアン、ビル・マーレイ(木の中の 人ですね…)が居たのも、このつながりだったのか? 博物館にあった品々や靴電話、オープニングの秘密基地 入り口の電話ボックスなど、旧作に捧げた小ネタもありま したが、こういった内容の違いに目を向けるのも、作り手の 意図や時代の違いが見え楽しい、と提案させて頂きます。 なお気になる事が一つ。オリジナルのTVドラマは、日本 放送時は愉快にアレンジした吹替が売りでした。スマート l の声は最初藤村有広、二代目として小松政夫があてて いましたがこれが傑作でした。さて『ゲット スマート』の DVDやテレビ放送時、吹替は良い意味で暴走出来るの かな?またスティーブ・カレルの声は誰になるの?? |