今をさかのぼる事1980年代初頭。ハリウッド映画は長らく低迷に喘いでいたが、 70年代に光明が見えてきた。スピルバーク、ルーカス、コッポラといった人物の 登場により、全世界で稼げる大作映画を製作できるようになった。しかし世界の 映画興行を制するには、まだ何かが足りない。・・・当時はビデオ、MTVといった 新たな映像メディアが産まれ、映画を見る者の嗜好もその流れの中で変化して いたのであった・・・。 そんな時代に登場した、伝説(色んな面で)プロデューサーがドン・シンプソン、 その盟友がジェリー・ブラッカイマー。彼らの映画は一言で言うなら 「ド派手なら、細けぇ事はどうでもイイじゃん!」・・・。 PV(プロモーションビデオ)、CM、MTVの映像に慣らされた新たな観客層に、 「内容が薄っぺらでも、カッチョ良い映像を、カッチョ良い音楽に合わせて見せて やれば、満足しやがるぜっ!」、「映画の文法?細けぇ事は気にするな!」 と叫んだかは知らないが、そんな方針の下2人の名(“迷”ではない筈、多分) 映画ファンの記憶に残る映画、でも冷静に考えればけっこう珍作・・・を次々と世 に送り出したのであった。そうした彼らの映画、また彼らの映画を手本とした ハリウッド映画が世界を制していったのであった。 *80年代を代表する映画、TVCM出身のエイドリアン・ラインを監督に起用 作品。有名なダンスシーンは代役(男性含む)が踊る、主人公(18歳女性) って、溶接工の仕事できるのか?バーで踊っていいのか?と冷静に考え ればツッコミ連発の作品。だが世界中の人の心に残る映画でもある・・・ 「細けぇ事は気にするな!面白けりゃイイんだろ!」 航空機操縦のアドバイザーが頭を抱えた操縦と空中戦描写、アニメでロボット を操縦する女の子キャラも、恥ずかしくて逃げ出すケリー・マクギリスの描き方 ・・・だが、あのテーマ曲と空中戦のシーンに全世界が熱狂! 「音楽と編集が良きゃぁ客は来る、細けぇ事は気にするな!」 ・・・今だ米軍の新兵募集活動の、力強い味方でもありお手本でもあったりする。 *そんな人を小馬鹿にした、製作側の編集テクニックをお手本にすれば、『トップ 「パロディ?オマージュ?オリジナルへの冒涜?? ・・・細けぇ事は気にするな!面白けりゃイイんだろ!」 ドン・シンプソンは1996年に死去、J・ブラッカイマーの大活躍は現在に至るが、 彼こそ2人のプロデューサーの正統な申し子と言える存在。カッチョ良い音楽に 合わせ(ハンス・ジマーのテーマ曲!)、派手かつベタなシーンを並べ(おかげで あらゆる物体に火薬とガソリンを仕込み・・・ 「細けぇ事は気にするな!面白けりゃイイんだろ!」 カーチェイスのシーンでは、シーンのつながりのつじつまが合わなくても、豪快な クラッシュと手振れな映像で、強引に納得させるのが得意技。しかしそんな彼の ない、ロボチェイス?)、異様に長いと思いませんでしたか?長過ぎで、あれだけ 派手でも・・・飽きてきませんでしたか?それと・・・レイティング対策でしょうが、 あれだけの街中でクラッシュして、人が傷付くシーンが一切無かった事は・・・ ある意味ホラー映画以上に、空恐ろしいものを感じませんでしたか? ちなみに養子として育てられたマイケル・ベイ。実の父親は緻密なカーチェイス シーンの名手、ジョン・フランケンハイマー監督である、と主張していましたが・・・ 「鑑定の結果?細けぇ事は気にするな・・・(涙)」 DNA鑑定の結果それは否定されました。が、鑑定を待たずともカーチェイスの 場面を見比べれば、血のつながりが全く無い事確定ですなぁ(笑)。以上、 紹介しちゃいました。 しかしシンプソン&ブラッカイマー、そしてマイケル・ベイらの一連の作品がハリ ウッド映画の世界制覇を支えた事は事実であり、我々の世代は(世界的に)実に 身近に親しみ共有した映画でもあり、今やそれらの作品に影響を受けた世代が、 映画などの分野の第一線で活躍し始めている事を忘れてはなりません。 さて、そんなマイケル・ベイも監督業だけでなくプロデュース業に進出。今彼が手 がけているのが過去の名作ホラー映画のリメイク。彼のリメイクホラーの特徴は、 徹底した緊迫追い詰め系演出、とでも呼びましょうか?殺人鬼など恐怖の対象が 追ってくる!という描写に重きが置かれています(まあ、そんな作品をリメイクして いるからでもあるんですが)。 でしょう。理不尽な殺人マシーン、レザーフェィス&殺人一家(R・リー・アーメイ 含む)に追われるという悪夢のような光景を見せてくれました。気に入ったのか 基本的に同じスタイル。 軽く見れる作品(ホラー映画慣れしている人には・・・)になっていますが、オリジ ハウアーの演じたヤバい人をショーン・ビーンが演じましたが、オリジナルほど 凄みを見せてはいないのではないでしょうか? 「気にするな!お手軽に、面白けりゃイイんだろ!」 以上ベイ印のホラー映画ですが、短い上映時間でキャアキャア騒いで楽しめる、 をコンセプトに製作されている様子。心理描写や雰囲気重視の方には物足らず。 スプラッターシーンもしっかりあるが、彼の映画のアクションシーン程の派手さは 無い。そして・・・個人的な不満がホラー映画の愉しみである、抜きで笑える シーンが少ない事。そんなベイ印で製作の新・『13日の金曜日』とは?? 果てしなき脱線を経て(笑)ようやく本題に到達。この映画の監督は『テキサス・ チェンソー』のマーカス・ニスペル。理不尽な殺人マシーン、ジェイソンを描くには 適任と見たのでしょうか。まず映画冒頭でジェイソン前史(オカンが犯人だった 1作目の設定)を軽く説明し、ジェイソンが大暴れする環境を整えております。 『ブラッディ・バレンタイン 3D(私の脱線レビューはこちら)』に出演と、いかにもな 使われ方ですね・・・。 この映画ジェイソンは大暴れ、オリジナルにあったエロ描写(キャンプ場での青姦) も下品にアリ、旧作に忠実・・・と書きたいが何かが違う・・・さて何だ?? ◇◇◇◇◇◇◇◇◇以下ネタばれ含む。◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ・登場人物の設定 =大学生(20代?)になっている。セックスをするけしからん ティーンエイジャーが成敗されて(笑)、童貞大喜びが『13金』シリーズの売りで あったのに。10代にセックスさせるのは(商売上)マズイとの判断か? ・ジェイソンの生活感 =映画では中々素敵なお住まい(笑)のジェイソン。何で 生計立ててるか不明なのに。人間なのかモンスターなのか超自然な存在なのか、
雰囲気の住居に住んでいるのは、存在感をリアルなものにしたかったのか? のアーロン・ヨー)も居る、ハッパネタもあるのに笑えるシーンが少ない。ギャグが 少ないだけでなく、緊迫感ある場面に抜きのシーン(肩透かしで笑わせる)を 入れる演出、また残酷なシーンをありえ無いやり過ぎ描写(将にスプラッター 映画全盛期の見せ方)で吹き出させる・・・といった見せ方が少ない。 ベイ印のホラー映画は、上記紹介の過去の作品も含めブラックユーモアの要素 マーク・スウィフトを起用しているというのに。多分上映時間を短くした(本作は97分) 際に、そういった余分な遊びシーンをそぎ落としたのか?プロデューサーと してのベイはそんな方針なんだ。自分の撮る映画と随分違うんでねぇの?? ・そして・・・何というか、近親相姦チックな話 =これまた個人的意見ですが。 今回の作品ではジェイソンのマザコン設定をより前面に。また奇妙に感じらたの がラスト。主人公と共に生き残るのが「彼女」ではなく「妹」。ホラー映画の定石 なら「彼女」と共に助からねば。こういった部分が、この映画をエロシーンがある のに妙に「性(セックス)」を感じさせないモノにしているのである。 人外の怪物(?)ジェイソンに囚われた妹を救うという物語に、何かグリム童話的 なものを感じたのは私だけだろうか?このアレンジの意味は何?B級映画調の あっけらかんとしたホラー映画にはない、奇妙なムードをかもし出していますが オリジナルの『13日の金曜日』シリーズとは・・・違うよなぁ? ・・・それでも最後は水の中から・・・誰でも読めるからネタバレでは無いよな(笑) またアメリカでは(費用対効果で見れば)大ヒット!日本では残念ながら、例に よってコケた!う~ん、ホラー映画冬の時代だなぁ、この国は。 といった商売に都合よく短い時間にまとめ、妙に生真面目さを感じさせるベイ印の ホラー映画、あなたのハートには何が残ったでしょうか(笑)。 「細けぇ事は気にするな!面白けりゃイイんだろ!」 ・・・この映画は面白かった?ベイさんはドン・シンプソンとブラッカイマーから何を 学んだんでしょうか??そんな事を考えて観るのも一興かもしれません。 と、締めても面白くも何ともないので(笑)。 『13日の金曜日』面白くねぇと書きましたが、上で書いたアーロン・ヨーの小ネタに ツボに来たモノが。このボンクラ、クネクネするエロいネ~ちゃんを見て一言、 「(・・・あの女の)ズボンのボタンになりたい・・・」 これ、『ゾンビ・コップ』のラストを締める、あの名セリフ ↓ http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/zombie/deadheat.html ・・・・に通じるものが、あるじゃないスかっ(笑×3)!!
あなたは永遠に僕ら(そんな事言う奴はボンクラ!)のヒーローです!! ・・・やっぱし笑えるホラー映画はエエもんですなぁ。 「細けぇ事は気にするな!面白けりゃイイんだろ!」 |