アカデミー賞の季節は同時にラズベリー賞(ラジー賞)の季節。歪な 映画ファンとしてはこっちの方が気になるなぁ。ちなみにラジー賞も、 ①本当にしょうもない映画 ②常連だし今年もノミネートしちゃえ! ③著名人・セレブを馬鹿にしとけば無難 というパターンで選考される様に思われます。個人的には①で選んで 欲しいと思います。「くだらんから、観る価値のある映画」という再評価 が与えられる訳ですから・・・皮肉じゃなくて、これは良い事だと思うぞ! その点②と③は選ぶ側に(文句言われる)リスが少ないが、面白みに 欠けませんか?パリス・ヒルトンなんぞ今更どうでもいいじゃないですか! まあウーヴェ・ボルみたいに、いよいよ最低功労賞受賞クラスになると ②の常連から日の当る世界へカムバックしたスタローンは、将にロッキー を地で行く存在になりました。敬服! そんな今年(2009年)、第29回ゴールデンラズベリー賞に素晴らしい 作品がノミネートされた!『Meet the Spartans 』と併せてノミネート、 IMDBでは「Bottom 100」の現在第一位(しかも少数の評価ではなく、 2万票以上の票を集めての結果!)、配給はアルバトロス!(それは 日本の事情・・・)その映画こそ、以前私が応援する事を宣言した映画、 → トロピック・サンダー 史上最低の作戦 ・・・そう、『ディザスタームービー! おバカは地球を救う』である! ・・・ちなみに私は毎年ラズベリーノミネート作品を、ノミネートされる前に 観ている。知らぬ間にまったく役に立たない「シックス・センス」 を身に付けてしまったらしい。 まだ観ていない方は是非観てほしい作品である、無論腹をくくってから。 できれば適度にアルコールが入った状態か、徹夜明けなどで脳ミソが 酩酊している状態が鑑賞にベストですぞ!! ~以下ネタバレ含む。覚悟して読んでくれたまえ!~ 例によって映画のパロディをつなぎ合わせた映画。一つ一つはそれなり に笑える、但し知ってれば。映画ファンなら、観ていなくても知っている 知っている様な映画ばかりですが、最近のジェイソン・フリードバーク& アーロン・セルツアー組が手がけるパロディ映画は、映画以外のネタ (テレビ、セレブ、『Meet the Spartans』ではネット動画まで元ネタに) が入ってきて・・・流石に辛いわ。『ディザスター~』では最初の方で いきなり『American Gladiators』ネタ見せられても・・なぁ。 またそのネタのつなぎの間が悪い(なんか、生意気なお笑い芸人評 シーンに、なんと言ってもラストの「誰かさんは誰かさんとヤってる」ソング、 力作で笑えるが実に長すぎ・・・(笑)! *これがその、ラストのしょ~がねぇ~歌である。ほぼ全出演者を網羅 しているので便利でもある。本当~に、お下品でしょ(大好きだけど)! エンドロールにお約束のNG集があるのですが、これを観る限り現場で 何パターンもギャグを撮り、それをチョイスして編集し、出来上がったのが この映画という事らしい。結果映画としての構成は弱いのかなぁ。なんか 一昔前の、香港のお笑い映画を観ているような感覚に襲われた・・・ ラストソングの動画でお判りの通り、実はこの映画「“アノ”役者を出す 事での笑い」は少な目で、変わって「一人の役者が、色々な映画の “アノ役”に挑戦」という、日本のテレビ放送で流される「ものまね番組」 を見ているかのような、実にヌルイ感覚が味わえる。将に正月気分で、 昼間からアルコールが入っていないと、とても笑えん様なヌルさを・・・ *同じ製作陣の『鉄板英雄伝説』は、この予告の作品『Harold & Kumar Go To White Castle』のカル・ペンが出演している。カル・ペンを使った 事で、彼がジェニファー・クーリッジと出会うシーンは爆笑ものでした。 こういった笑いの面では、『鉄板英雄伝説』 の方がおススメ。 実はこの多くの役に挑戦している方々(ニコール・パーカー、クリスタ・ フラナガン、アイク・バリンホルツ)は、お笑いテレビ番組『マッドTV』で 活躍のコメディアン。この人達はネタ連発!但し映画の長さで連発して みるのはちょっと・・・という雰囲気は理解して頂けると思う。個人的には 要するにこの映画、『マッドTV』のパロディショートコントを通常より長尺で 連発、コントの間を何とかつないで映画に仕立てた、という性格の作品 でしょうか。以前押井守がNHKBSの特番で、『うる星やつら』の映画版を 初めて手がけた時、「テレビ作品を時間・スケールを拡大しても、映画には ならない」事を学び、映画にするには別のアプローチが必要と考えた結果、 あの2作目の成功につながった・・・と語っていた事を思い出しました。 いるハンナ・モンタナや『ハイスクール・ミュージカル』をおちょくっている、 攻撃的な姿勢は評価して良いと思う。日本でウケる訳ないが。『ハイス クール・ミュージカル』は今ディズニーが日本でもヒットさせるべく、色々 仕込んでいますなぁ・・・ディズニー映画の本国と日本の公開時期を ずらしても、日本向け宣伝に力と時間をかけるのは評価すべき姿勢で あると、さらっと紹介しておきます。 あとこの映画、下ネタが多い。それも「エロ以外」の下ネタが・・・(苦笑)。 実に「中学生な気分」を味あわせてくれる。悲しいかな、劇場で周囲を 見ると有名映画ネタしか判らん方には、それ以外にはここしか笑えない という状況に陥っており・・・これは悲劇である。 結論としてこの映画を見て、激怒して「金返せ!」と叫ぶのは恥ずかしい 行為である。『ディザスター~』のおかげで(脳ミソがウニになり)合法的 にトリップできたじゃないか!(ホント、そんな気分になりました) しかも私は川崎チネチッタの、844席の劇場で数人で見たぞ!よりにも よってこの映画を、かくも贅沢な環境で見る。これ以上ゴージャスな行為 がこの世に存在するだろうか!(笑) ちなみに・・・『ディザスター~』、現在YouTubeで全編見れる状態で、 それこそ再生しまくり状態である。ネット上の違法な・・・は知らないが、 米ではDVD発売直後というのにこれでイイのか?もしかすると製作側も 「ワースト1映画」の話題を宣伝に利用すべく、あえて放置しているのか? と思いたいところである。 話題をラジー賞に戻しましょう。 『ディザスター~』はラジー賞に作品賞・ 監督賞の他、助演女優賞でカーメン・エレクトラ、キム・カーダシアンが ノミネートされているが、前者は②、後者は③のパターンで面白くない。 最低映画を支えた悪ノリ演技を称えて、『マッドTV』系の役者さんをノミ ネートして欲しかった。この人達なら授賞式にポール・ヴァーホーヴェン、 ハル・ベリーに次いで現れたかもしれないし。 なお本年度ラジー賞の本命作は7部門でノミネート 、M・マイヤーズの 対象になっている。ラジー賞本命作品を、ラジー賞候補作品がパロディ にしている・・・将にバカ映画のパンデミック状態である(笑)。 *日本では劇場公開されなかった『愛の伝道師 ラブ・グル』。まさか “某尊師”に似ていたから公開見送り・・・じゃないよね? 最後に。 『ディザスター~』の主演はマット・ランター。この人はCG映画 である。彼はラジー賞級の最低映画に出演した事で、ヌード公開がバレ、 降板させられたバイ・リンの様に、ジョージ・ルーカスの逆鱗に触れ 粛清されないだろうか・・・それだけが不安である(笑っていいのか?) l |