本作品はみんな大好き「血を吸う~」シリーズでおなじみの、 山本迪夫監督作品。「血を吸う~」以外にも何本かサスペンス・ スリラー作品を手がけておられますがその中の一本。これは 見なければ・・・といそいそと劇場に参りました。 物語は・・・「そんな阿呆な」な不条理劇で始まります。主人公の 一人暮らしの女性が唐突に会社はクビになるは、恋人には 振られるわ、アパートは追い出され泥棒に入られた次に自身が 泥棒扱いされ、更に更に・・・理由無き不幸攻めに。実はトンデモ な陰謀が背景にあったのだ!・・・って強引かつ無茶なお話。でも 原作が存在するんだから、思いつきで作ったお話では無いんだ。 と書きますと、不条理が破綻してお笑いになってしまった映画を イメージするでしょう。実際私もそんな先入観を持って鑑賞したの ですが、「血を吸う~」でお馴染みの山本迪夫らしい確かな演出 に、結構引き付けられて見てしまえる作品でした。 映画は結局遺産相続に絡む、実に少女マンガチックな設定の お話なんですが、演出が良いと“西洋風のお屋敷”と“吸血鬼”が 日本にもしっかり存在出来る様に、この映画も様々な無茶を破綻 させずに見せてくれます。生活観溢れるアパートからスタートして、 貴族(華族)が闊歩し猟銃や別荘がアイテムとなる、いつの間にか バタ臭ワールドに移行できるのは、流石「血を吸う~」を手がけた 山本演出!と感服しました。 楽しみ方としてはトンデモなキャラの存在(大滝秀治は爆笑級!) と、冷静に考えればやっぱり無茶な展開などを楽しむのが一興。 主人公の酒井和歌子も良いですが、個人的に西洋風な顔立ちと 死にっぷりが実に見事な田村奈巳にはグッときました。 北林谷栄は・・・やっぱし怖いです。 あなたが「血を吸う~」シリーズのファンなら、見て損は無い一本。 山本迪夫信者必見度 ★★★★★ トンデモ度 ★★★★ お笑い度 ★★★ 1970年 東宝 監督 山本迪夫 脚本 小川英 出演 酒井和歌子 新克利 (イチオシ)大滝秀治&北林谷栄 2008年8月27日 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞(併映 『電送人間』)
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